夫の母(以降、母と呼びます)は5年前に脳梗塞で、右半身に麻痺が残り車いす生活を送っています。そんな母はずっと物の整理の事が気になっているらしく、今回私に仕事として受けてくれないかと相談してくれました。今回はそのbeforeafterをご覧いただこうと思います。
夫の母が日頃感じている事
5年前、母が退院する時に家をリフォームし、一階で生活の全て出来るように寝室も2階から1階へ移しました。
その時は母を迎え入れる準備として介護ベットを入れる、父のベットも同じ部屋に入れる。
母のベットサイドに車いすが置けるスペースは確保しなければいけない。
ポータブルトイレ(おまる)もベットの脇に設置する、部屋には車いすで出入りできることが目標。
和室に置いてある物は、早急に処分&移動して空間を作った。
という感じで、押入れの中や棚の細かな物は整理せずにそのままになっていました。
片付いていなかったところ
母が生活している中で、手が届く場所には既に色々な物が置いてあり、母が届くのは唯一床置きという状態でした。
なので、日頃よく使う物、主に衣類は床に紙袋に入れておいてありました。
押入れには収納ケースがあるにも関わらず、要らない物がいっぱい入っているので入りきらない状況。
捨てたいけど、車いすと片手では収納ケースの中身を確認できないジレンマを抱えていました。
でも迷惑掛けたくないからという思いから、子供である旦那ちゃんや同居の娘には言えずにいたのだと思います。
以前の寝室がある2階にももう上がることもできない母は、倒れた日以来どうなってるのか気になってるんやろうなと私は感じていました。
母はとても頑張り屋さんで忍耐強く、元気な時は家事も完璧のスーパーママでした。
なので何も思うように動けない自分を情けなく感じて話しながら涙することもたまにありました。
なぜ今、生前整理なのか
人生は誰一人として間違いなく死に向かって時が流れていきます。
私も勿論そうですが、順番からいって先に死と対面していくのは親です。
母の性格も考えて、自分の持ち物は自分で最後まで管理したいんじゃないかと思いました。
今、生きてくれている母には2つの選択肢があります。
生前整理をして自分の所有している物を見直していくか。
遺品整理として子供たちに任すのか。
但し遺品整理となると変わらずただ死が来るその日まで日々を過ごす事ができます。
何もしなくていい代わりに、後何年あるか分からない人生を、自分の所有している物の状況を想像しながら悶々とする日もあるかと思います。
生前整理をすると、今自分の持ち物の状況がずっと脳の中にあって悩んでいる状況からは開放されます。
物も少なくなるかと思いますのでお部屋も使いやすく、物の管理も楽になるでしょう。
でも、相当な物と向き合わなくてはいけないので、凄く疲れてしまいます。
物を移動させたり、捨てる準備をすることは私がお手伝いできても、判別は母がしないといけません。
この判別がすごく疲れるんです。
なので生前整理を始めるなら、体力が少しでもあるときの方が良いです。
今が一番若い日なんですから。
そのことを伝え、母が選んだのは生前整理でした。
先ずはじめた場所は
早速、生前整理をスタートさせた母は、以前の寝室がある2階の整理からと言いましたが、私は先に1階の居住空間を整えることを提案しました。
今使っている部屋を整えて、物を厳選すると、こんなに暮らしやすく、心地良いんだと感じてほしかったから。
母はプロに任すという事で、先ずは今の寝室からスタートさせました。
ではbeforeをば。
所狭しと床置き状態。
押入れの前にも荷物があって開けれない。
押入れの中は使っていない座布団の山。
客間の押入れにも座布団が。
カビも生えていたので、全捨てです。
もう何年も動いていない物達。
座布団の箱の中身はクリスマスなどのイベントの飾りでした。
こちらも潔く全て母はお別れしました。
でも、母の趣味だった洋裁用具や材料の選別作業はため息が多く出て、泣き言も発する場面も。
母「あーー疲れたしんどい無理やわ。」
私「うん。しんどいね。じゃあやめてもとに戻しとく?」
母「いや。もう材料とかは要らないからボタンつけたりする用具は残して、あとは捨てるわ。一個一個みてももう洋裁しないし」ってそこからは復活してくれました。
お別れした物
沢山の物とお別れできました。
after
全て衣料が収まりました。
押し入れ上段の左の収納引出しは、分解して高さが一番低い引出しを下にしました。
車いすの母でも覗き込んで中身が分かるようにしました。
初回は、仮の住所として収納し使い勝手をみてもらい、次回に調整していくために付箋とテープでラベルを貼っていきます。
今回は助っ人として次女に手伝って貰いました。
最後まで強力なアシスタントとして活躍してくれました。
右側の空間は空になりました。
ベットがあって奥まで入る事が出来ないので敢えて使わないようにしておきます。
手芸用品もこれだけになりました。私的にはもっと針と糸3種とハサミでいいと思いますが、お道具大好きにな母はこれで今のところ精一杯だとおもいます。よく頑張りました。
第一日目が終わり
母は何度も押入れを見ては「気持ちいいわぁ。ありがとう。」を繰り返していました。
掃除機も掛けやすくなり清潔に過ごせます。
母の生前整理はまだまだ続きます。
姑と嫁
お片付けに関しては、結構どちらかが我慢していることが多いです。
片付けて‼っていえない。
勝手にできない。捨てれない。
実の親子関係だったら反対にケンカがはじまります。
そんな時は第三者にに入ってもらうといいですよ。
生前整理のサポートもさせていただいています。
是非プロに一度ご相談ください。
片付けプロコーチ 瀧本ルミ